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GoPro HERO12で走行中を撮るテクニック

GoProで撮影

走行中のバイクを美しく捉えるためには、カメラの性能を理解しつつ、状況に合わせた使い方を組み合わせていくことが重要です。GoPro HERO12 Blackは、高い手ブレ補正性能と広いダイナミックレンジを備え、特に動きの激しいバイク撮影との相性が良いアクションカメラです。HyperSmooth 6.0による補正機能は、路面からの振動や姿勢の変化による揺れを抑えやすく、走行中の景色とバイクの姿を安定した画で残せます。広角で捉えられる画角を活かせば、風景を巻き込みながらスピード感ある仕上がりが期待できます。

ただし、どれほど機能が優れていても、撮影環境によって結果は変わります。光の強弱やマウントの固定具合、露出の設定などはその都度調整が必要で、ちょっとした意識の差が写真の印象を大きく左右します。HERO12の性能を引き出すためにも、状況に応じた基本設定と撮影の工夫を押さえておくことが大切です。

設定の基本を整え、動きのある場面を安定して写す

走行中の撮影では、カメラの設定が仕上がりの安定性に直結します。HERO12の写真撮影は自動制御が優れているため、基本的には自動設定にまかせても問題ありませんが、ブレを抑えてシャープな写真を残したいときは、シャッター速度が速くなるよう環境光の多い時間帯を選ぶと安定した結果が得られやすくなります。日中の明るい環境では露出オーバーにならないよう控えめの明るさに設定しておくと、ハイライトの飛びを防ぎ、後からの調整にも余裕が生まれます。

ISOに関しては、必要以上に上げるとノイズが増えてしまうため、明るい環境では低めを意識して撮影するのが良いでしょう。HERO12の広角レンズは広い範囲にピントが合いやすく、走行中でも前後の風景をバランスよく写し込むことができます。連写機能を使えば、加速する瞬間やカーブに入るタイミングなど、動きの中の印象的なカットを拾いやすくなります。

マウント位置を工夫し、走りの表情を引き出す

GoProの魅力のひとつは、多様なマウントに対応している点です。ヘルメットサイドや顎部分へのマウントはライダーの視点に近い画を得やすく、走りの臨場感を強く感じられる写真になります。胸部マウントは安定性が高く、ブレを抑えながら自然な視点で走行を写し出せます。ハンドルバーに取り付ける場合は、バイクの動きがダイレクトに伝わるため、マウントをしっかり固定し、走行前にゆるみがないか確認することが重要です。

マウント位置による“距離感”の違いにも注目したいところです。車体の前方に近い位置では、道路の流れがより強調され、スピード感のある仕上がりになります。逆に後方へ向ければ、ライダーや車体のシルエットを大きく写し込めるため、バイクの存在感を前面に出した構図が作れます。どの位置でも、角度の微調整で写真の印象は変わるため、走る前に必ずサンプル撮影を行い、好みの構図を探すと安定した画作りがしやすくなります。

光を読むことで写真に奥行きと立体感を生み出す

走行中の写真は、光の方向や強さによって印象が大きく変化します。午前中や夕方など、太陽の角度が低い時間帯は、バイクの曲線に沿って柔らかい光が当たり、立体感が際立ちやすくなります。逆光になる位置から撮影すると、車体の輪郭が強調され、シルエット表現を活かした力強い写真が撮れます。山間部や林道のように光が入りにくい場所では、木漏れ日が一部に差し込む瞬間を狙うことで、自然の照明を活かした印象的な一枚に仕上がります。

車体のカラーによっても光の見え方は変わります。明るい色は光を反射しやすく、陰影がはっきりと出やすい傾向があります。濃い色の車体では背景とのバランスを考えることで形が際立ち、存在感が増します。走行中の撮影は環境による影響が大きいため、光の方向を意識して角度を変えるだけでも写真の表情が大きく変わることがあります。

走行中のバイクをGoPro HERO12で撮影する際は、カメラの設定、マウント位置、そして光の扱いを組み合わせることで表現の幅が広がります。環境に合わせて調整を重ねていくことで、走りの魅力をそのまま切り取ったような一枚に近づけるでしょう。